写真と共に今年を振り返ってみたいと思います。きっと来年はもっと面白くなる。今年一年を振り返るとそんな予感でいっぱいです。
その前に。年内までに終わらず持ち越してしまった仕事もたくさんあって、その辺の段取りの失敗は素直に反省してます。きっとこれからどんどん複雑なデザインのオーダーが増えていくと思うので段取りをもっと工夫しなきゃいけない。お待たせしてしまっている皆様、本当にすみません。来年早々に順次発送していけるように頑張ります。
10月。僕にとって永遠の目標とさせて頂いている信治さんが工房に来て下さったことは感動的でした。この日を境にたくさんの新たな出会いが今に至るまで続いています。何というか、プラスのオーラに満ち溢れている方です。とにかくクレバーで。1982年からこの業界にいるわけだから自分が4つの頃から今に至るまでずっとこの道一つで製作し続けているってことですよね。これからもどんどん相談させてもらおうと思います。感謝しっぱなしです。
今年はようやくこのベンディングジグの扱い方を体が覚えてきた気がします。裂けやすい虎杢コアや油が多くて硬いローズ系なども材をよく見て触って霧吹きの程度やアイロンの温度設定をどの程度にするか、直感が当たる様になってきました。前は何でもかんでもお湯にどぶ漬けしてかなり高めの温度で無理矢理曲げようとして高価なコアを割ってしまい何度も泣きを見ました。このベンディングジグを使えば何でも勝手に曲がるもんだと勘違いしていたんですね。曲げの基本は手曲げでもジグ曲げでも同じ。ちゃんと木の状態を見て作戦を変えていかないとダメなことにようやく気がついたアホなヤツです^^;
このジグを使うことを諦めた時期もありました。でも失敗を怖がってたらいつまで経っても使い道が分からないまま。長いこと散々泣きを見てようやく…どんな木材でもたいてい数分で1セット曲げれるようになったことは大きな収穫だと思います。
ただ分かった気になっていたとしても世の中には同じジグを使ってさらに効率良く作業している人が沢山いるわけで。これからもどんどん真似ていきたいと思います。
今月八日に行った神戸ファボリータさんで行われたゼロキチさんとバイオリニストのアトワさんのライブも行ってよかったです。アンプラグドライブは希少で貴重ですよね。アーティストの指から弾かれた音が(電気的に)何の着色もなくそのまんま自分の鼓膜を揺らしてくる快感たらナイです。やっぱり生楽器はいいもんだと。神戸から岐阜までの240キロの帰り道、車内は何の音楽もラジオもかけずにライブの記憶をずっと脳内再生してました。また聴きに行けたらと思います。
そして仕事納めの今日、12月29日。松本でウクレレ専門オンラインショップCultivate Ukuleleを主宰している西野耕一郎さんが工房に来て下さいました。年齢も僕と近い上にカメラや山、酒など色々と趣味趣向も似ていてすっかり話し込んでしまいました。いや、楽しすぎました。ライカQの実物、初めて触りました。二重像の難しさを体験。あれは楽しい。西野さんとの展開が今後どんな風になっていくか、来年の楽しみがまた増えました。
こちらは今日出来立てホヤホヤの一本。クラシックソプラノで、表板はご覧の通りびっしりとマイクロカール・ベアクローが入ったドイツ松。サイドバックはインドローズ。ビルトインさせた木製ピックガードはブラジリアンローズです。これがまた生まれたてとは思えない程の芳醇な音で作った本人がびっくりしました。あれこれ考えずにシンプルに作ったのがよかったみたいです。来年早々に鎌倉に送りますので気になる方はぜひチェックのほど、よろしくお願いします。
12月頭に愛知岐阜にライブしに行くよとメールをくれたのはドブさん。もちろん見に行きました。岡崎のイエローバードカフェでのライブは大盛況でした。ドブさんのライブは盛り上がるんです。情感溢れる歌と繊細なピッキングに酔いしれた一夜でした。また来年も聴きに行きたいです。
子供らに海苔を貼られてオラフー仕様になってました…(笑)
ハロウィンに便乗して氷見で弾いて来ました。
なんだ三回でもイケるんじゃん。狭い工房はちょっとストーブ焚くだけですぐに暖まる上に壁も本宅と同じ気密性の高いしっかりした構造なので半日くらいなら室温を維持してくれるんです。ここは狭い工房の唯一のアドバンテージかも知れません。塗装回数が一回増えるだけでも結果的に三週間かかっていた塗装期間が半月まで短縮できました。一年のスパンで考えたらとても大きな短縮になると思います。年末追い込まれて試したらたまたま上手くいっただけですが、やってみるもんですね。
夏の北アルプス、テント泊の旅
夏、実際に北アルプスまで行って鹿島槍ヶ岳を見てきました。それを形にしたヘッド。今年後半からの一番の変更点はこれですね。
名古屋で行われた空五郎さんのライブは圧巻でした。これぞショータイム。幕開けから終いまで全部面白かったです。そう、ウクレレにこだわる必要なんてないんです。だからこそウクレレの存在が一層際立ってるような気もしました。大事なのは何を伝えたいかってことで。今年はライブをたっくさん見てほんと勉強になりました。音楽はハートのキャッチボールなんだと。
その感動が二、三日抜けきらない中で何とツアーを終えて高山に帰る道すがら空五郎さんが工房に立ち寄ってくれるというサプライズも今年でした。これには驚いた。あの歌を5畳半の工房の中で独り占めする贅沢。生きてりゃ良いことあるもんだ。
あっ
という間に終わってしまった一年でした。山もキャンプもほとんど行けませんでしたがその数回のアウトドアがまた濃厚で全部記憶に残る遊びになりました。御嶽山の頂上でウクレレ弾いたり鹿島槍にテント背負って登ったり。愛犬アルと平湯でキャンプしたり。でかい遊びはそれぐらいだったけど十分楽しめました。
何より今年はたくさんの人と積極的に交流して行った収穫で新しい出会いに恵まれました。どんだけ時代がハイテクになっても結局「会って話す」ことの大切さは一番大事だなと改めて思い知った良い一年でした。
大切なことは「一瞬の今」をコンマ一秒でも大切にすることなんだと改めて感じた開業十年目だったような気がします。
今年も皆様のおかげで元気にウクレレ作りを楽しめました。
ありがとうございます。来年もどうぞ、よろしくお願いします。
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