#316 OH375 Type1S
とっても端正な佇まいです
表板にはご覧の通り熊爪杢がびっしりと入ったシトカスプルースです。もっと大柄な熊爪杢はけっこう見かけると思うんですがソプラノボディの大きさにちょうどいいくらいの細かい杢はそんなにないんです。ある時にしかない貴重なマイクロ熊爪杢、あと数本製作できる分しかもうストックがないので要チェックです。
派手目な熊爪杢トップのわりに落ち着いた雰囲気に見えるのはきっと単純な丸(響孔)や四角(ブリッジ)にアンティークなロープ飾りだけのシンプルなデザインのおかげなんだと思います。何年使っても飽きのこないウクレレになってくれるはずです。
オハナさんのご要望によりヘッドは日本鹿さんになりました。小川さんの切り出すシルエットって凄いですよね。ほんとにそこに立っているように見えるんですから。さらにすごいと思うのは角(ツノ)の太さが1mmないんです。こんな複雑で細い線を貝から切り出す上に全て寸分違わず毎回同じものを送ってくれるんです。ちょっと専門の話になっちゃいますがイラレデータをNCという機械やレーザーで切り出した貝と職人がジュエルソーという手持ち糸鋸で切り出した貝では線の「ぬくもり」がまるで違うんです。機械で切ったものにない生命感がシルエットに宿っているように感じます。角と角がV字に交差する箇所ってどうやってヤスリ入れてるんですかって小川さんに聞いたら「ヤスリは入れてません。切っただけです」と。意味不明です。切っただけの線がどうしてここまで美しいのか。特殊な鋸刃を使っているとは言ってましたがそういう問題じゃない気がする。新潟の十日町、雪深い工房にいつかお邪魔してみたいですね。
サイドバックにはインディアンローズウッドを使いました。バインディングはハワイアンコアの暗めのものを使いました。裏板のヒール下にワンポイントで飾りを入れてあります。こういうライトブラウン系のインドローズはダークブラウンまたは赤黒いものと比べて油分が少なめでカラッとした音が出やすいのでシトカと合わせることが多いです。
ということで師走展出品2本目のOH375、Type1Sのご紹介でした。
#316 [OH375 type1S]
師走のウクレレ展2023出品ウクレレ
[spec]
375mm soprano long neck model
body top ベアクロウシトカスプルース
sideback インディアンローズ
neck マホガニー
head マッカーサーエボニー天神板/ニホンジカインレイ
binding ハワイアンコア
finger.b エボニー/5Fに焚き火ポジション(パール)
bridge エボニー
peg UPT
strings Martin M600
お取り扱い店 ウクレレショップオハナ様
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