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浅漬けが好き

華美なルックスを追求するより見えない細部をきちんと作りたい派です

 

 

 

 

 

 

 

うちのウクレレのルックスは地味です。一眼で目を惹く派手さはない、というか求めてません。「美人は三日で飽きる」じゃないですが食べ物に例えるなら豪華な晩餐の洋食じゃなくて毎日食べたくなる浅漬けがいい。糠床を毎朝揉み込んで手入れしてやって美味しく地味に頂く胡瓜みたいなウクレレ。自分で手をかけつつ毎日美味しく質素に楽しんでいくような存在。弾くことを毎日の習慣にするなら一目惚れしたけど飽きてしまうものより浅漬けがいい。手の掛け方を怠らなければいつでも歯応えのある弾き味を醸してくれる乳酸菌みたいな小さな木の楽器。

 

 

 

 

 

 

 

柔らかくてしなやかでレスポンスがよければそれが最良だと僕は思うんです。どうしても楽器製作してると難しい装飾や変わった意匠に挑戦してみたくなるときがあるんですがそれって音とはあまり関係ない。何百本とある中から選んでもらうためには一風変わったルックスにして際立つことも一つの手段だけど楽器との付き合いは買ったあとの生活の方が大事。地味でもちょっとだけアバロン貝が巻いてあるくらいが自分は好みです。あくまでも自分はです。実際に派手な方がいいという人も結構いるので派手な仕様で作ることもたま〜にあります。